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つごう10年間、このSル石油に勤務した。 昇進昇格についても収入についても、もちろん社内の人間関係についても不満はなに1つなかったにもかかわらず、なぜ日本Kカコーラに転職することにしたのか。
「転石、苔を生ぜず」ということわざがある。 2つの解釈が成り立つ。
1つは、「石の上にも3年」というとおり、1ヵ所にがんばってしがみついていれば、苔という「資産」が知らず知らずのうちに身につく。 だから、辞めるな、ということだ。
逆の意味に考えることもできる。 「転石にならないと、苔がついてしまうぞ」だから、苔のつく前にどんどん転がってキャリアを築くことが重要だ、となる。
まさにフ転籍へ苔を生ぜず」である。 たしかに2〜3年での転籍では、苔すら生じないだろう。
とはいえこれでは、「ジョブーホッパー」になってしまうだけだ。 私がこれまでのビジネス人生で一貫して目指してきたのは「キャリアビルダー」になることである。
ジョブーホッパーはこれと対極にあり、短期間にホップーステップージャンプと会社を転々と移る人間のことを意味する。 さすがに、人材流動が激しいと言われるアメリカでも、バカにされる。

実際に、私自身、いままでそれこそ数百回も、採用する側として、中途採用者にインタビュー(面接)してきたけれども、45歳以下で転職4回以上の経験者ははながら信用しなかった。 理由は、能力がないから続かない、同僚はじめ周囲に好かれないから続かない、あるいは、運が悪いから続かない、このいずれか、もしくはその組み合わせだと思っていたからだ。
それに対して、キャリアビルダーとは、1つの場でそれなりにスキルを磨き、人間関係をつくって、実績を出す。 やるだけのことをやったから、転職でも着実にキャリアを築いている。
そんな人物のことだ。 そういう意味で、Sル石油の時代にも、「短期間で辞めてしまっては業界についても仕事についてもなに1つ勉強できないし、人脈だって築けない。
やはり、成果をあげるにはもう少し時間が必要だ」と考えていた。 かといって、15年、20年では苔が生えるどころか、自分自身が苔になってしまうではないか。
へたをすると、他人から。 虚仮にされてしまう。
そこで、最適の時間は10年である、という結論に至った。 そのためには、どの会社にいようと、10年間で勤務している会社のアセスメント(評価)をしょうと決めたのである。
評価項目は、自分自身の将来に対する長期目標、社風が自分と相性がいいかどうか、自分の幸福づくりにふさわしい環境かどうか、などである。

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